ぶっちゃけ、動画編集って稼げんの?
という問いに、これまで1000本以上の動画を編集し納品してきた現役動画編集者の僕がお答えしていきます。
2020年以降、YouTubeなどの動画プラットフォームの盛り上がりと共に「稼げるスキル」として動画編集が注目されてきました。
これまでたくさんの動画編集者が排出され、動画編集で稼ぐといった発信をする人も増えてきました。
ですがその一方で、動画編集はもう稼げないというような声を聞くことも増えてきました。
動画編集で稼げたのはもう過去の話なのか?
本当に動画編集はもう稼げなくなってしまったのか?
今日はそんな悩みにお答えしていきます。
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動画編集で稼ぐのは時代遅れ?
「今から動画編集を始めても遅い」と思ってる方もいるかもしれません。
動画編集者が増えすぎて、市場が飽和している。だから動画編集者は稼げない。
このような噂は果たして本当なのか?
現に動画編集者として仕事をしている僕が出す結論は、動画編集者はまだまだ稼げる。むしろこれから。
です。
確かに動画編集をする編集者が増えたのは事実ですが、それと併せて動画編集の需要も急増しているからです。
実際に動画編集で生計を立ててる僕の元にも、今でもたくさんの依頼が来ます。ですが、対応できる編集者が足りておらず受けきれていないという現状があります。
そして、動画広告の市場は増加傾向にあり、今後さらに伸びていくことは間違いありません。
出典:https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=24125
さらに、企業が自社メディアを持つためにYouTubeチャンネルを解説し運用する流れ、もようやく一般的になりつつあるという段階です。
ほとんどの会社がホームページを1つ持っているのと同様に、1企業1YouTubeチャンネルが当たり前になってきます。
まだまだYouTubeチャンネルを持ってる企業は少ないので、これからYouTubeが自社チャンネルを開設しだす波が来ると編集者は圧倒的に不足してきます。
さらに動画編集者が増えているのは事実ですが、動画編集を諦めて撤退している人が増えているのも事実です。
こういったまだまだチャンスが多い動画編集者ですが、なぜ稼げないと言われているのか?その理由について解説します。
なぜ「動画編集は稼げない」と言われているのか?
『動画編集は稼げない論』を展開する人たちが上げる主な稼げない理由は次の通りです。
・挫折した人の発信を盲信してしまう
順番に見ていきましょう。
動画編集者が増えすぎた
動画編集はプログラミングなどの比較すると、短時間で習得が可能です。
かつ、パソコン1台あれば誰でも始められてしまうということから、動画編集者になる参入障壁は低いです。
なので副業を始めたい人や稼ぎたい人がたくさん動画編集をし始めた時期もありました。
その結果、これまであまり見なかった『動画編集者』が急激に増えて「編集者は飽和した」論が展開されているのです。
ですが、動画市場の伸びと比較すると、動画を制作してほしい需要に対して動画編集者の数はまだまだ追いついていない状況です。
挫折した人の発信を盲信してしまう
当然ですが、動画編集は「楽して簡単に稼げる」なんて都合の良いものではありません。
動画編集に限らずですが、楽して簡単に稼げるものなんてそもそも存在しません。
ですが、動画編集の盛り上がりの背景を受けて「動画編集は誰でも楽して簡単に稼げるんだ!」と勘違いして参入してくる人がいるのも事実です。
楽して簡単に稼げると勘違いして取り組み始めた結果、どうなるか。
意外と面倒な作業も多い動画編集の現状を目の当たりにし、諦めて散っていきます。
そしてその結果「動画編集は稼げなかった」などというネガティブな発信をしてしまうアンチ動画編集になる人もいます。
そういう人の発信を鵜呑みにして「あぁ、動画編集はもう稼げないんだ…」と思う人も一定数いるようですね。
まぁこういう「楽して稼げそうなあれこれ」を探し求めて色んなものに手を出してすぐに諦めてを繰り返してる人は、いつまで経っても同じことを繰り返してるので無視してOKです。
『動画編集は本当に楽して稼げないのか?』という疑問に対して触れておくと、スキルを身につければ自分の時間単価はどんどん上げられます。
初めは1時間の作業で1000円しか稼げなかった人も、スキルアップと同時に1時間の作業で10000円を稼げるようにもなります。
まぁこれを「楽して」と表現するのが正解かどうかは分かりませんが。
事実として稼げない人もいる
上でも触れましたが、事実として動画編集を始めても一向に稼げるようにならない人もいます。
これも動画編集に限った話ではありませんが、誰でも確実に稼げるものなんて存在しません。
人には向き不向きもあります。
頑張って勉強しても一向にスキルアップをしない人もいるでしょう。
確実にお金を稼ぎたいならアルバイトをすれば確実です。
ですが、動画編集者が時間の切り売りではなく、生み出した価値の対価でお金をもらう働き方です。
価値が生み出せない動画編集者がいつまで経っても稼げないのは当然と言えば当然ですよね。
では、なぜ稼げない人はいつまで経っても稼げないままなのか。
次に稼げる動画編集者と稼げない動画編集者の違いについて触れていきます。
動画編集で稼げない人の特徴
これまでたくさんの挫折した動画編集者を見てきましたが、そういった人たちは次のどれかに該当していることがほとんどです。
動画編集のスキルが低い
いうまでもありませんが、動画編集のスキルをちゃんと習得していないのに案件を受けて仕事をしようとしても稼げません。
最初のうちはラッキーで依頼を受けられたとしても、スキルが低いので継続はしません。
動画編集で稼ぐコツとして、付き合いのあるクライアントと継続関係を構築することがとても重要なのですが、スキルの低い動画編集者は契約を切られます。
なのでまずは最低限の動画編集者としてスキルを習得する必要があります。
もちろん案件よっても求められるスキルは異なります。
例えば、テロップを入れるだけの作業であれば、1〜2日勉強すれば誰でもできるようになります。しかし当然ですが、誰でもできる内容の仕事は単価が低くなります。
スキルアップをすることで自分の価値を上げ、単価を上げることで稼げるようになっていきます。
動画編集の効率が悪い
動画編集者として働くと、労働時間に対してお金が発生するだけではありません。
1案件1万円の編集なら、1時間で終わらそうと30時間かけて終わらそうと得られる金額は1万円です。
動画編集は効率がとても大事です。工夫次第でいくらでも効率化させることができます。
編集効率が悪いと、当然ですが自分の1時間あたりの生産性はどんどん下がっていきます。その結果、作業した時間の割りに稼げないなんて事態にも陥ってしまうわけです。
例えば、10分の動画のテロップ入れ作業を、これまで手作業でやっていたら5時間かかってたものが、ツールを導入すれば30分で終わるようになった
という経験を筆者もしたことがあります。
動画編集で稼ぐためにはこの「効率化」もしっかりと意識しておくようにしましょう。
営業力が低すぎる
どれだけ優れた編集スキルを持っていても、営業スキルがないと依頼は来ません。
自分のスキルを売り込むことによって案件を受注し、動画編集者として稼ぐことができるようになるのです。
ですが今の時代、クラウドソーシングサービスのように編集者と案件依頼者を繋ぐサービスが充実していたり、
SNSを通して仕事を受注したりすることが一般的になっていているので、営業スキルはそこまで求められていないと感じます。
また目先のクライアントに満足してもらえるスキルがあれば、そのクライアントから継続的に仕事がもらえたり、また紹介を通じて案件が次の案件を呼び込むことも珍しくありません。
このように稼げる編集者のところには案件が次々と舞い込んでくるのです。
とはいえ、営業力が高いほど、交渉力も高いので、単価の高い案件を受注しやすいことも事実としてあります。
動画編集者として稼ぐには営業力は無いよりは絶対にあったほうがいいので、編集スキルと併せて営業力にも磨きをかけていきましょう。
動画編集で稼げる人はどんな人?
逆に稼げる人の特徴はどうでしょうか。最も稼ぐために必要な要素が次になります。
①周辺領域まで対応可能か
②クライアントとのコミュニケーションをしっかり取れるか
③ポジションを確立できている
この3つができれば動画編集で稼ぐことは一気に楽になります。順番に解説していきましょう。
周辺領域まで対応可能か
動画編集を依頼され始めると、「これも一緒にできる?」といった動画編集の周辺領域の依頼をされることも増えてきます。
ただ編集するだけより、こういった周辺領域のこともできたほうが稼げることは間違いありません。
例えば、企業がYouTubeの編集を編集者に依頼したとします。このYouTube編集の周辺領域にはどのような業務があるでしょうか?
①企画・台本の作成
②撮影・撮影のディレクション
③サムネイル画像の作成
④YouTubeチャンネルの運用
などは「動画編集」の周辺にある業務です。
ただ編集だけを担当するより、撮影と編集ができたほうが単価が上がるのは当然です。
それよりも企画ができて撮影もできて編集もできて運用もできる人の方がさらに単価は高くなります。
ここまでできれば1つのクライアント企業から月額30万円以上の契約を受注することも珍しくありません。
フリーランスとして食べていくだけなら、1社契約できるだけでも十分と言えるでしょう。
このように周辺領域の仕事までも巻き取ることができれば受注単価は何倍にも膨れ上がるのです。
コミュニケーションがちゃんと取れる
クライアントとのコミュニケーションをしっかり取れるかもとても重要です。
営業力と関係する部分もありますが、いただいた契約を長続きさせるにはコミュニケーション力も必要になってきます。
簡単なところで言うと、連絡の返信が1日後に来る人と2分後に来る人では、後者の方が圧倒的に仕事がしやすいです。こういったこともコミュニケーション力に含まれます。
動画編集の案件を依頼する側は「できるだけ自分の労働を減らしたい・スムーズに仕事を進めたい」と考えています。
実際に外注に仕事を振る側になると分かりますが、コミュニケーションが円滑に取れない人に仕事をお願いするのは大きなストレスになります。
せっかくスキルがあっても「この人とは仕事がしにくい」と思われてしまうと長く続く仕事も続きません。
このようなことになるのはとてももったいないので、仕事を長くもらう上でもクライアントとのコミュニケーションは大事にしておきましょう。
編集者としてのポジションを確立できている
動画編集者か、もしくはYouTube編集が得意な動画編集者か。
あなたが企業の担当者でYouTube編集の外注先を探している立場ならどちらを選びますか?
間違いなく後者の「YouTube編集が得意な動画編集者」に頼むでしょう。
このようにポジションをしっかりと確立しそれを発信することで、この案件ならこの人にお願いしようと思ってもらいやすくなります。
ポジションを確立する方法はいくらでもあります。
そして稼げている動画編集者はこのポジションを明確に持っています。「自分はこういったことが得意です」と周りに公言しているのです。
まずは自分の得意な領域などを絞り込んで自分のポジションを確立してください。
動画編集で稼ぐ具体的な方法
最後に動画編集で稼ぐ具体的な方法について触れておきます。
もしかしたら読者さんの中にも「動画編集で稼ぐイメージがついていない…」と言う人もいるかもしれません。
動画編集者が稼ぐ最もメインの方法はクライアントワーク(受託)で稼ぐです。
動画編集者として稼ぐ人のうち、9割以上の人はこちらに含まれます。なので、まずはクライアントワークで稼ぐことをお勧めします。
クライアントワークとは?
簡単に言うと、企業から依頼を受けて案件をこなすことです。
企業は自社の商品やサービスを販売するマーケティング活動の1つとして動画の制作を検討します。
YouTube動画・PR動画・テレビCM・マニュアル動画・社内の研修動画など、
企業はあらゆるシーンで動画コンテンツを必要としています。
ですが社内に動画の編集者を抱えてる企業はそうそうありません。そこで企業は動画の制作をアウトソース(外注)するのです。
動画編集者はこういった企業の課題解決のための動画編集業務を請けることで対価としてお金をもらいます。
クライアントワークで依頼を請けるための主な経路は大きく分けて、
・企業からの直接の依頼
・代理店からの依頼
・クラウドソーシグサービス経由の依頼
が主です。
企業から直接「これを作って」と頼まれたものを作るのが企業からの直接の依頼。最も単価が高くなりがちなのはこれです。
代理店から依頼というのは、企業の広告や制作を請けてる会社から下請けとして作業を外注してもらう流れです。
動画編集者として最初のうちは意外とこの経由で仕事をもらうことが多いです。
代理店がクライアントに提案して案件を受注して、その製作業務をフリーの動画編集者に振ったりします。
クラウドソーシングサービス経由とは、WEB上での仕事をお願いしたい企業と仕事を受けたいフリーランスのマッチングサービスです。
主なサービスはクラウドワークスやランサーズなどが挙げられます。
このサービス経由でも仕事も動画編集駆け出しとしては良い方法でもあるので、ここに関しては別記事で詳しく解説します。
まとめ
筆者も「動画編集はもう稼げない…」という声をたまに聞くことがありますが、それは言ってしまえば個人の問題です。
動画制作市場にいると分かりますが、動画編集者はまだまだ供給不足の状態です。
しっかりとスキルを身につければチャンスはいくらでもあるので、まずは折れずに挑戦してみてほしいと思います。