動画編集を副業にしたり専業にして独立したり、収入を稼ぐ手段として動画編集に取り組む人は、昨今の動画市場の盛り上がりに合わせて増えています。
2022年の現在の段階でも動画広告の市場はまだまだ拡大途中で、これからさらに動画市場に流れるお金も増えてくるでしょう。
そんな中で、自身の価値を高めるために動画編集者としてスキルアップを目指す人もたくさん増えています。
そこで今回は実際にプレイヤーとして動画編集者として駆け出し→副業→専業→会社設立までを経験してきた筆者が、動画編集者が身に付けておくべきスキルを段階別に詳しく解説していきます。
・今自分が何を学ぶべきかを知る
・収入を増やすために今日からできること
- 目次 -
動画編集者に必要なスキルとは?
動画編集者といっても、現状のレベルはそれぞれ異なります。
今自分がどのステージにいるのかによって、必要なスキルは異なってきますので、今回はその動画編集者のステージ別に解説していきたいと思います。
ということで、以下のステージに段階を分けて順に解説します。
これから動画編集者としてお金を稼いでいきたい。まだ案件はこなしていない段階
②副業での動画編集者
本業は別の仕事で安定収入を得ながら、動画編集で月数万円ほど稼げるようになる段階
③専業での動画編集者
動画編集を生業として生計を立て、これから動画編集による売上を増やす段階
自身がまずどの段階にあたるかを踏まえつつ、この記事の内容を読んでください。
上から順番に解説していきます。
駆け出し動画編集者に必要なスキル
まずこの段階で必要なのは、最低限の編集スキルです。
動画編集には色んなスキルがありますが、まず簡単な案件を受注するために身につけるべきスキルは以下の通り。
カット編集のスキル
動画をカットするカット編集は操作自体はとてもシンプルですが、実はとても奥が深い作業なのです。
カット編集は長い映像の中から重要なシーンを抽出してコンパクトにまとめる作業です。
長い動画の中でいかに重要なシーンを切り取るか、視聴者が見やすいようにテンポよく動画が進むようなカットを入れられるか。そこに編集者としてセンスが問われる作業になります。
色んな動画を見てカットのコツを掴むことはとても重要です。
テロップ挿入のスキル
テロップ挿入もカットと同じく操作はシンプルですが、見せ方が編集者によって異なるのでここもスキルが必要です。
『どの場面で、どの書体や装飾をしたテキストを、どこに出すか』
この辺りは動画編集者のスキルが問われる部分になります。
バラエティ系のテレビ番組やエンタメ系のYouTube動画などには、このテロップ挿入へのこだわりがとてもよく伝わってきます。
センス良くテロップ編集ができるようになるために、編集者としてたくさんの動画を視聴してそのエッセンスを吸収することが大事です。
音の編集スキル
動画において音はとても重要です。
動画編集初心者ほどこの音を軽視しがちで、動画編集の上級者ほど音へのこだわりが感じられます。
動画編集ソフトではこの音もかなり細かく調整できるので、視聴者が見やすいように音に調整を加える必要があります。
音で最低限必要な編集は、ノイズ除去と音量の調整です。
ノイズ除去で周りの雑音をできる限り自然な感じで削除し、音量調整で心地よりBGMと映像音声のバランスを調整します。
BGMや効果音の音が大きくなりすぎるのは編集初心者のあるあるです。
エフェクト挿入のスキル
エフェクトというのは加工効果のことで、映像や音声にエフェクトを適用させることで動きをつけたり特殊な演出を加えたりする編集のことです。
簡単なYouTube編集などであれば特別エフェクトを使ったりすることはあまりありませんが、いくつかエフェクトを使いこなすことができれば編集の幅を増やすことができます。
Premiere Proの場合は初期設定でエフェクトのプリセットが最初からいくつか実装されているので、まずはそれを使っていくのが良いでしょう。
慣れてくれば自身でエフェクトを作成したり、外部から読み込んで編集の幅をどんどん広げていくことができます。
まずはこの辺りまで駆け出しの段階で身につけることができれば、簡単な案件であれば受注していくことができるようになります。
アニメーションのスキル
少し難易度はあがりますが、Premiere ProやAftereffectsなどの編集ソフトを使えば、映像や画像に動き(アニメーション)をつけることが可能です。
YouTubeの編集などにおいては、さほどこのアニメーションは多用することはありませんが、部分的に使うことで動画のクオリティを高めることができます。
アニメーションをつけるというと、とても難しく感じますが、上記であげた編集ソフトを使えばさほど難しくはありません。
キーフレームの概念や、コツを覚えれば自由に画像に動きをつけたりすることが可能になります。
副業での動画編集者として必要なスキル
副業で動画編集をして月数万円を稼ぐレベルになるためには、上で解説したスキルに併せて以下のスキルを身につけておくととても楽に仕事が取れるようになります。
・マーケティングスキル
・コミュニケーションスキル
・媒体理解のスキル
順番に解説していきます。
営業・セールスのスキル
案件を自分で受注していくには、営業を自身で行っていく必要があります。
自身の強みを活かしながら、売り込むことで仕事をもらえるようになるというわけです。
現在ではランサーズやクラウドワークスのようなクラウドソーシングサービスも充実しているので、そういったサービスを活用して案件を受注することも可能になりました。
クラウドソーシングサービスでは簡単に仕事が受注すやすい反面、デメリットもあります。
それはプラットフォームに手数料が引かれるので単価が下がりやすいこと、さらに同時に案件に応募する人が複数人いるので、価格の値下げ競争が起こりやすいことなどがあげられます。
また、SNSなどで自己発信をして案件を受注している人もたくさんいます。
ここではこういったものを総称して『営業・セールスのスキル』としています。
マーケティングスキル
マーケティングのスキルを身につけておくことで、自身を売り込みやすくなるのでまず案件を受注しやすくなります。
さらにマーケティングを理解することで動画を編集する上でマーケティングを意識した動画の編集が可能になるので、出せる価値が高くなります。
企業が動画編集を依頼する多くの場合、『マーケティング活動の一環で動画を作りたい』というケースが多いので、マーケティングを理解していることで企業が求めてるものを理解した上で動画が作れるようになるのです。
マーケティングを理解している人としていない人では、その動画から得られる成果が全く異なってきますので、数いる動画編集者の中でもマーケティング理解をしている編集者の価値は相対的に高くなります。
そうすることで1件あたりの単価を高めることができ、少ない作業量と作業時間で希望の収入に達しやすくなるということです。
コミュニケーションスキル
動画編集者としての仕事は基本的にクライアントワークになるので、仕事をくれるクライアントとの関わり方も重要です。
クライアントにとって『仕事をお願いしやすい人』になることができれば、継続的に仕事を依頼してもらえたり、追加発注がもらえたりします。
そうすることで案件が次から次に舞い込んでくるので、わざわざ営業をする必要もなくなり、こちらで仕事を選ぶこともできるようになっていきます。
筆者もこれまで数十社のクライアント様と付き合いさせてもらってきましたが、編集スキルよりもコミュニケーションスキルの方が大事だと感じています。
正直なところ、編集スキルはある一定のレベルまでいくと差別化をしずらくなります。
動画編集に詳しい人ならその違いが分かるかもしれないですが、そうではないクライアントの場合はその僅かな差よりも「仕事がしやすい人かどうか」が継続で仕事をもらえるか否かを左右していると感じます。
また、しっかりした言葉遣いやスムーズな返信なども含めてコミュニケーションスキルとしています。
媒体理解のスキル
動画編集と一概に言っても色んなパターンの動画があります。
その中でも、昨今副業としても人気で需要の多い編集がYouTubeの編集やTikTokの編集です。
色んな企業がYouTubeやTikTokを企業のマーケティング活動に取り込み始めています。
なので副業で動画編集をする際にもYouTube編集などはとてもおすすめなのですが、YouTube編集者として仕事をする上でYouTubeという媒体を理解しておくことでそれが強みになります。
媒体理解の具体例を出すと
・YouTube業界のトレンド
・再生が伸びやすいYouTubeのアルゴリズム
・最近よく見かける編集パターン
などを理解しているかどうかです。
YouTubeはその特性上、真新しいことをするよりも上手く流行に乗るほが再生を伸ばしやすい傾向にあります。
そのため、媒体を理解しておくことで価値の高い編集をすることが可能になります。
専業の動画編集者に必要なスキル
動画編集者として独立して食べていくには、上のスキルに併せて身につけておきたいスキルが次の通りです。
・企画、提案スキル
・撮影スキル
・ビジネススキル
順番に解説していきます。
ディレクションスキル
動画編集である程度実績と経験と積み始めると、時間の限界の壁にぶち上がります。
その時、今度は自分が外注を使う側になって作業の一部や全部を外注に回すことで自身の時間を増やしながら対応案件数を増やし売り上げを伸ばしていくことができます。
この作業を外注に回す際に求められるのがディレクションスキルです。ディレクションとはプロジェクトの方向性などを支持する意味です。
動画編集に置き換えて話すと、外注する編集者に対して編集の要件をしっかり定義し、求める内容や質のものを納品してもらえるように方向を示す必要があります。
口頭で「こういうふうに編集してください」とざっくり伝えたところで、求めてる成果物が納品されることは少ないです。
これまでは自分がディレクションされる側だったところから自身がディレクションする側に立つことで、案件数を増やして一馬力から多馬力に案件に対応していくことになります。
目安として、動画編集で月30万円以上の売上を毎月上げようともうと、このディレクションスキルは必須になってくると思います。
企画、提案スキル
ただ編集だけを行う編集者よりも、企画や提案からできる編集者の方が1件あたりの受注単価は高くなります。
さらに企画や提案ができると、提案型の営業ができるようになるので、高単価での案件を受注することができるようになります。
筆者自身もこの企画・提案の経験を積んでスキルを高めていったところから動画編集としての売り上げが大きく跳ね上がりました。
例えば、これまで動画編集だけを1件1〜2万円とかで受注していたものが、企画・提案から丸っとすることにより1件30万円以上の案件をもらえるようにもなりました。
ある程度売り上げ規模のある企業の案件などになると、動画1本を作るのに数十万円や数百万円などを出すことは珍しくありません。
編集のみで1本10万円以上の単価で受注すのはなかなか難しいかもしれませんが、企画・提案から行うことで1本10万円以上の単価で受注することは珍しくはなくなります。
極端な例かもしれませんが、普段全国テレビで見るような有名なテレビCMなどは15秒や30秒の動画で企業は数千万円〜数億円の制作費用を払ってるわけです。
なので1本数十万円、数百万円の動画制作の案件は別に珍しいこともなく、スキル次第でいくらでも単価をあげることはできるようになります。
撮影スキル
企画・提案と合わせて独立して専業でするなら撮影スキルは持っておいた方がいいです。
撮影からすることで、受注単価が上がることはもちろん、自分のイメージに合わせた映像素材が撮れるので動画のクオリティも上がりやすくなります。
企画や編集の経験を積んでいくと、「撮影の時点でもっとこう撮っていればもっといい動画ができたのにな…」なんて思うことが多々あります。
カメラマンと編集者とディレクターのイメージの擦り合わせは意外ととても難しいのです。
ですが自身で撮影ができれば、頭の中にあるイメージをそのまま表現できるのでオススメです。
見積もりの段階で『撮影費用』を自身の利益にできるので収入が増えるはもちろんですが、表現の幅が広がるという意味でも撮影スキルは身に付けておくことをオススメしています。
デザインスキル
デザインの基本的な知識、スキルを習得すれば動画のクオリティも格段に上がります。
そもそも動画は1秒に30〜60枚の静止画が連続で流れるコンテンツであり、当然ながら動画にもデザインセンスが求められます。
テロップの装飾の色合い、配置をとってもデザインスキルがある人とない人ではクオリティに差が出ます。
動画のクオリティを高めていく過程で細かい部分までこだわり出すと必ずこのデザインスキルが求められるようになります。
コンテ作成(デザイン)と編集を分担して作業することもありますが、やはり専業として取り組むのであればこのデザインスキルを身に付けておくことでクリエイターとしての価値を出すことができるようになるのです。
まとめ
以上、段階別で動画編集者に必要なスキルを自身の経験談も踏まえながら解説していきました。
動画編集者として必要なのは編集ソフトを操作するスキルだけではなく、上にあげたようなスキルと組み合わせることで収入はいくらでも増やすことができるようになります。
動画編集+αで価値を高めることで自分自身の価値やブランドが高くなります。
今日紹介した内容を意識しながら動画編集者としてスキルアップを目指してみてください。
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